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うるしと「五節句」のはなし ①人日の節句

1月7日は「人日の節句」

1年で一番最初の五節句です。
七草粥の日として知られていますね。

春の七草
せり なずな すずな すずしろ ごぎょう はこべら ほとけのざ

若い芽から生命力をいただいて、
邪気を払い一年の健康を願います。

とはいえ、1月7日はまだ冬真っ盛り。春は遠く感じます。
この季節のずれは、明治になって、暦が旧暦から新暦に変更されたことに起因します。五節句の旧暦での日付を現在の新暦にそのまま移行したので、1ヶ月ほど前にずれてるのです。例えば旧暦の2019年1月7日は新暦の2月11日にあたります。立春を過ぎて、梅の花が咲き、七草の若芽も出てくる頃です。

ということで、実際の季節よりは1か月ほど前倒しなのですが、最近はお正月からスーパーに七草セットが並ぶので、作りやすくなりました。

 

七草粥は漆器で

七草粥を食べると少しお正月気分も落ち着いて、日常に切り替えられますね。
春が近づいていることを感じて気持ちもすっきり、お正月のご馳走で疲れ気味の胃腸の調子も整えてくれます。

さてウルシストとしては、七草粥の器は漆器をお勧めしています。


ふだん、ご飯をよそう器は陶磁器のお茶碗、汁物をよそう器は漆塗りのお椀を使う方が多いと思いますが、昔はどちらも漆椀を使っていました。今でも正式な懐石料理などの席では飯椀にも漆器が用いられます。江戸時代以降に安価でカラフルな陶磁器が作られるようになり、次第に飯碗は瀬戸物がポピュラーになっていきます。

ではなぜ、汁椀は塗りのまま残ったのでしょうか。

それは、「器を直接口につけて熱い汁物をすする」という日本独特の食慣習によるものです。陶磁器は、熱いものを中に入れると器自体も熱くなります。手で持つのも口をつけるのもちょっとつらいですね。その点、木に漆塗りをした器は熱さがひびきません。
実用的な理由で、汁椀は漆塗りのまま残ったのだと思われます。

お粥はご飯ですから飯碗を使う方も多いと思うのですが、最後のひとつぶまで食べるにはすするときもありますね。ですからぜひ漆椀で召し上がってみてください。

お箸ではなくてスプーンの方が食べやすいという方は、ぜひ漆塗りのスプーンを。口当たりがとても柔らかく、やさしいお粥にはこの上なく相性が良いです。

そして節句はやはりハレの日。
白と緑のおかゆは漆器に盛るとなお美しく、たとえ忙しい朝に搔きこむ朝食だとしても、器が違うというだけで、自然と五感がそれを感じ取り、気持ちが整います。

やさしい七草粥で無病息災を願い、また1年、元気に過ごしましょう。

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