「金継ぎで学ぶSDGs」日本文化×サステナビリティの特別体験プログラム

香港の小学生向け「金継ぎと漆を学ぶ」特別ワークショップを開催


日本の伝統文化とサステナビリティに触れる特別な時間——

香港から訪れた小学生とその保護者の皆さんを対象に、「金継ぎと漆を学ぶ」ワークショップを開催しました。


このプログラムは、SDGs(持続可能な開発目標)の学びを深める教育旅行の一環として企画されたもので、日本ならではの「ものを大切にする文化」「自然との共生」、また「多様性を認めそれぞれが輝く社会」を学ぶことを目的としています。

単なる体験を超えて、金継ぎのフィロソフィーを伝える

ワークショップではまず、「金継ぎってなに?」というお話から。

 ●ものがこわれても、すぐに捨ててしまうのではなく大切に使い続ける気持ち
 ●ヒビや傷をかくすのではなく、それも物語と新たな美しい模様として楽しむこと
 ●同じ模様は二つとできない、世界の一つだけの形になること
 ●直すために使う「漆(うるし)はウルシの木の樹液で、自然の恵みであること

 

1万年の知恵を今に伝える「漆」と「金継ぎ」

 


金継ぎと漆」のショートムービー


🌳ここで、本物のウルシの木が登場!
「漆掻き職人さん」が登場し、木にキズをつけると……漆液がジワリ。
木が自分の傷を直すために出すこの樹液を、私たちは金継ぎで器を直すために使わせてもらっています。これが「漆(うるし)」です。

漆掻き職人 岡慶一さんによる貴重な漆掻きデモンストレーション

子どもたちからは、「木がかわいそう」という素直な感想も。
そうですね。こうして人間は、さまざまな自然の恵みに助けられ、守られながら生活しています。だからこそ、自然を大切に、感謝の気持ちを忘れずに。


本物の漆掻き道具も

日本には、縄文時代から漆とともに暮らす文化があり、
自然の恵みを生かしながら、物を大切に使い続けるという「サステナブルな暮らしの知恵」が根づいてきました。

「金継ぎ」は、その一例です。
ワークショップでは、日本でこのような文化がどのように育まれてきたのか、昔の人々の暮らしや知恵についてもお話ししました。

それはまさに、現代の私たちが目指す「持続可能な社会」へのヒントにもなります。

目の前で器が生まれ変わる瞬間——金継ぎ実演

いよいよ金継ぎ。
欠けた器が、自然の漆と小麦粉で作った麦漆によってゆっくりと修復されていく様子を、見てもらいました。



漆を塗り、金粉をあしらう最後の工程では、「Oh----!」と小さなどよめきが。子供たちも興味深そうに一生懸命見てくれました。

実際にやってみる!世界に一つだけの金継ぎ体験

ワークショップの最後には、それぞれの子どもたちに実際に小さな器に漆を塗って金粉(代用金)を蒔く仕上げ工程を体験してもらいました。
 



手袋とアームカバーをして、お父さんお母さんも一緒に、本漆を使った体験です。
細い筆、真綿、毛棒など、本格的な道具を小さな手で一生懸命動かして、割れた修復部分を塗ったり、横に絵を描いたり(^^)。自分だけの金継ぎ作品を作りました。

FEEL Jでは、本漆を使って体験しますので、数時間で割れた状態から全行程を体験することはできませんが、体験用の器はすべて講師が事前に本格金継ぎで直して用意したものです。
事前に見たウルシの木の樹液、固まるまでに何日もかかる自然素材であること、それぞれの器にストーリーがあることをイメージしながら、本来の漆と金継ぎを体感してもらいました。

子どもたちや親御さんが、完成した器を手に楽しそうに写真を撮っている様子は、講師としても嬉しい光景でした。

この時間が、日本を旅行した思い出のひとつとして、そして豊かな学びの記憶として、いずれ世界に羽ばたく子供たちの未来を歩みチカラとなりますように。


作品は箱にセットして思い出にお持ち帰り

日本の伝統文化で育む、こどもたちのサステナビリティ教育

このワークショップは、単に日本の伝統文化を体験するだけでなく、

「壊れたものを受け入れ、美しさに変える」という価値観と、自然の恵みを活かし、大切に使い続ける暮らしの知恵を体感できるプログラムです。

道具も材料もストーリーも「本物を知る」ことで
SDGsが求める「持続可能な社会」を、自分の手で、目で、心で感じ取る。
その学びはきっと、子どもたちの未来を支える大きな力になると信じています。

学校の皆様の教育方針もすばらしく、共感いたしました。想いを共有して意義ある学びの場をつくることができたと思います。

 

今後も、国内外の教育機関や国際交流事業とも連携しながら、「金継ぎと漆を通して学ぶサステナブルな日本文化」プログラムを展開してまいります。



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