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加藤 千晶 profile

漆を愛し、漆を学び、漆の魅力の全てを伝え、
漆を通じて豊かな生き方を提案するウルシスト®。
欧米のラグジュアリーブランドで店舗運営、販売促進のマネージメントを経て、2013年秋にFEEL J を設立。
新しい発想で漆文化と異分野を繋ぎ、現代の漆文化を紡いでいます。

●都会的なスタイルで木と漆を楽しむ暮らしを提案するセレクトブランド「FEEL J Style」
●漆文化を学ぶ「ウルシスト®講座」
●漆で直して使う「金継ぎサークル」
●日本の漆を次世代に繋ぐサポート活動「Act.CSU」

 

ごあいさつに代えて

漆に初めて出会ったのは、フランスの銀食器ブランドで仕事をしていたころでした。
20代の頃から洋食器が大好きで、海外を旅してはその土地の工房を訪ねたり、ギャラリーやショップを巡ってコレクションしたり。もちろん和食器や漆器の存在も認識していましたが、とくに意識を向けることはありませんでした。

そんなある日、輪島塗の展示会に誘われて、軽い気持ちで出かけました。
「輪島塗=松竹梅の蒔絵がきらびやかなお正月に使う食器」と、ご多分に漏れず思い込んでいた私を出迎えたのは、何の装飾もない、まったくの無地の朱色の器。

思わず息をのみました。
その艶。質感。光。
それは濡れているかように艶やかで、軟らかいかのようにふっくらしていて、気と光を放つかのように神々しい。

これほどに美しくユニークなものが日本にあったのに、なぜ私は今まで気づかなかったのだろう。

それが、私と漆との出会いでした。

この日を境に、私はどんどん漆に興味を惹かれていきます。
多くの産地を訪ね、作家たちを訪ね、
いくつものお気に入りに出会って、日常の暮らしの中で使い始めました。
時間に追われ、心身ともに慌ただしい毎日に、漆器で食べる食事はほっこり肩の力を抜いてくれる優しい時間となりました。

しかし、知れば知るほど、日本の漆を取り巻く環境は厳しいものでした。
漆器は電子レンジにも食器洗浄機にも入れられない。時代遅れで使いづらい。当然ながら需要も生産量も激減しています。

もうひとつ、衝撃を受けたことがありました。
漆器の原料である漆はいま98%を中国からの輸入に頼り、国産漆は絶滅危惧ともいえる状況なのです。

需要のないものは廃れていく。仕方がないのでしょうか。

しかし漆は、自然と共存する循環型社会を支える日本の生活文化そのものです。
縄文時代から日本に根付いていた漆の文化が、このたった70年の環境の変化で失われる。
これは漆だけの問題ではない、と感じました。

いま私は漆の課題解決、すなわち漆が現代の暮らしにふたたび根付き息づいていくことが、日本の美しい自然と文化を守ると気づいて、漆を愛し、漆の楽しみを届けるウルシスト®として活動しています。


ウルシスト® 加藤千晶