• トップ
  • 読みもの
  • 日本の漆 サポート活動、産地訪問、トップに掲載
  • 『縄文うるしパーク』始動!

『縄文うるしパーク』始動!

縄文の里 蓮田


最近靜かなブームとなっている「縄文」。
そう、縄文土器や土偶に象徴される、紀元前に1万年以上続いたあの時代と文化です。
実は、漆好きの人には縄文好きが多いことをご存じですか?





埼玉県蓮田(はすだ)市在住の漆作家、加藤那美子さんもその一人。
縄文好きを超えて、かなりの縄文ツウ。

今は海なし県の埼玉ですが、縄文時代は温暖だったため海岸線がこの辺りまで来ていました。国指定史跡の「黒浜貝塚」をはじめとする縄文遺跡や貝塚がいくつも残っているのです。

 

蓮田でウルシ植栽活動スタート


さて漆のはなし。
自らの作品に国産漆を用いるため、減少の一途をたどるその現状に強い危機感を抱いていた那美子さん。このたび、地元の蓮田で、自らウルシの植栽活動を立ち上げました。



地域の方とのネットワーク(信頼関係)作り、他地域で植栽活動をしている人々からの情報収集など、忙しいなかで積み上げてきた地道な基盤づくりには本当に頭が下がります。

その努力の甲斐あって、JR蓮田駅から車で5分ほどの約500坪という広い土地で、
2019年春、ウルシの植栽をスタートできることになりました。
 

’耕作放棄地’の現実


そこは、長年、耕作放棄地となっていたところでした。
もはや耕作放棄地ではなく、荒廃農地と言うべきかもしれません。


つまり、荒地・・・。

夏には背丈を優に超える雑草が生い茂り、

那美子さん、完全に負けてます・・・。

冬は枯草となって積みあがります。

土のなかは太い根っこが四方八方にはびこっていて、スコップやシャベルでは全く太刀打ちできないほどです。

引っ張ってもびくともしません。ゴボウみたいです。


ゴボウより太いですね。。。

根っこだけではなくて、以前投棄されたと思われる石まじりの土砂が埋まっているところもありました。

これが、全国で深刻な問題となっている耕作放棄地の実態なのだと体感しました。
幸い蓮田地域にはイノシシやシカといった獣害がないだけまだ良いのかもしれません。
 

とにかくやってみる


この場所で育つのか、葛の根に負けずにウルシが根を張ることができるのか、害虫はつかないのか、土に養分はあるのか、水はけはどうなのか、考えたらきりがないほど不安や疑問だらけですが、とにかくやってみないとわからない。

植えてみよう!

敷地は500坪と広大ですが、まずは30本ほど植える場所の確保からスタートです。


果てしなき道のり。。。

ウルシスト®千晶も刈払い機(エンジン付き草刈り機)に挑戦してみました。
なにしろ手刈りで何とかなるレベルではないので!

那美子さんにはかっこいいと褒めてもらいましたが、どうでしょう??
カメラを向けられて喜んでいますが、実は結構真剣です。かなり危険も伴うので、慎重に、集中力を切らさず。


やっぱり男手は頼もしい!!

ちなみにこの刈払い機は市から無償で借りることができます。このような情報収集も活動には重要です。

暫くは葛の根や蔓との戦いになりそうで、自然の力強さと厳しさを身をもって実感しました。一方で、これを乗り越える方法や仕組みを確立できれば、日本各地が課題として掲げる耕作放棄地の利活用につながり、漆の増産にも貢献できるのではと思います。
 

ゆるくて楽しい植栽活動


ここまで読んでくださった方はきっと、かなりハードで厳しい活動という印象を持ってしまいましたよね。実際、これからやってくる猛暑の季節の草刈りは、想像したくもないレベルの予感がしています。
しかもウルシの木は15年ほど育てて大きくしなければ、漆掻きができません。
はたしてそれまで続くのでしょうか。。。


が、そこには那美子さんの明るい人柄が!

毎回、確かに大変ではあるのですが、なんだか楽しくてたまらないのです。


草刈りの合間に近くの美しい小道を散歩したり、


那美子さん作の漆器でお弁当を食べたり。


炭をおこしてBBQをしたり。
アウトドアのご飯は食べるのも作るのも楽しい!


いただいた朝採れのタケノコを炭火で焼いて食べる贅沢!

もはや本格的なデイキャンプ!

植栽活動は長期戦なので、ゆるゆる楽しみながら、がモットーです。
 

『縄文うるしパーク』プロジェクト始動!


2019年4月27日、東京・千葉・埼玉から11名の有志が集まり、
壮烈な草刈りの後、ついに約30本の苗木を植えました。



そして、この日の参加者の会話の中で、


この植栽地と取り組みは、『縄文うるしパーク』と名付けられました。


「かわいい看板も作りたいねー」
「ウルシ以外にも縄文にゆかりのある木や植物も植えてみようかな」
「草刈りの後のお昼ごはんに食べられるトマトも植えとく?」
「キュウリがいいなー」
「次回は沼にパイプ状ベンガラ探しに行こうよ」

このゆるさがたまらなく楽しい!
ちなみにパイプ状ベンガラとは、那美子さんが追求している縄文時代からある赤い顔料。
ちょっとマニアックですね(笑)。


同時に、日本の漆の課題解決のためにまじめな情報交換も。

「この本、植栽についてとても詳細に説明されています」
「先日、土のpH値を計ってみました」
「自宅で蒔いたウルシの種がまだ発芽しないのだけど、対策あるかな」
「盛岡と福島の植栽にも参加してくるので情報共有します」


那美子さんの呼びかけに、有志が集まって始まった小さな小さな取り組みです。
ウルシスト®千晶も定期的に通って、参加していきます。

これからときには失敗も楽しみながら、日本各地の取り組みとも情報交換しつつ、できればたくさんの方々に参加していただいて、ウルシの木もこの活動も、育てていきたいと思います。



植栽地はJR蓮田駅から車で5分、徒歩でも20分ほどのところ。
都心からも日帰りで十分参加可能です。

今後は、原則的には毎月第2月曜日と第4土曜日に活動があります(変更の場合もあり)。
1回だけのご参加ももちろん大歓迎。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。


『縄文うるしパーク』始動!!
一緒に育ててくれる楽しい仲間を待っています!





加藤那美子さんのホームページ
「うるし劇場」https://urushinamiko.jimdo.com/
 

おすすめ